世の中には、まさかという坂がある。

まさかという、私には考えられない事が起きてしまい、すっかり動転してしまいました。人一倍元気で、弱い私の面倒をみてくれて、イタイイタイと甘ったれていた自分が情けなく、自分のことにかまけて主人の健康を本気で瑕かっていたなら、お酒の飲みすぎ、タバコの吸いすぎと、うるさくいいつつ、でもまだ若いし元気だからと軽く考えていたのではないか、４５歳で、急性心機能不全と言うことで、父と母を残し、あっけなくあの世にいってしまいました。でも救いは、娘が既に結婚して、来春には子供が生まれるといって、主人は４５歳でおじいちゃんになれると、とても喜んでいた矢先でした。私はこれからどうしよう、もう甘えてなんかいられない、折角苦労して二人で続けてきた商売をやり続けるには、女の私だけでは成り立たない娘の夫に頼み、会社に入ってもらう事にしました。